発行冊子の紹介


第87号 2017年 4月 発行

   目次  
【87巻頭言】                      
引用は正確に                     中村 修
「方~里」表記をめぐって(2)            中村 修  
百済観音の飛鳥時代(第10回)            山下輝幸
会員広場【小休止】
アンデス通信40                   市木尚利
八紘偽宇と八紘一宇2                 中村 修 
記紀神話の歴史的形成過程の考察(1)         河越尚司
古代高橋氏の水軍的側面についての一考察        高橋輝好             
 
【巻頭言】引用は正確に                中村 修
 先日、昔の新聞記事を探していて、偶然目にとまった記事があった。鶴見俊輔「カッコの用法不正解-実態をそらす 言いかえ-」(朝日新聞1975年4月30日夕刊)である。引用の仕方について、日野啓三「カッコのこと」(『潮』)を紹介 していた。  
 「カッコの使い方についてきびしいことを知った。確実に相手の言った言葉をそれも本人の認めた場合のみ「--」を 使うという規則が重要だとその時に感じた。日本では、新聞の世界を含めた「--」の使い方がふたしかだ。本来は相手の発言を 一字一句ちがえずにそのまま書く場合にのみ使うべきカギカッコを、筆者が勝手に要約した文章にも使う。こういう習慣が、自他 の言葉への責任をとることをぼやかしている。」
 私自信は鍵カッコをそのように原文通りに使っている。要約した場合は山カッコ〈 〉を使うことにしている。  
 さらに、論文名は一重鍵カッコ「 」、著作名は二重鍵カッコ『 』を使うというこの業界の約束事があるので、引用 文中の一重鍵カッコを二重鍵カッコに直されるとこの区別が付きにくくなるという欠陥も生じる。  
 旧漢字を新漢字に直して引用することは、(必要なら断って)認めても良いと思う。