発行冊子の紹介


第79号 2015年 3月 発行

   目次  
【79巻頭言】                    上遠野浩一  
白崎昭一郎先生の思い出                半沢英一
追悼の言葉  
 直木孝次郎・山尾幸久・荊木美行・尾関章・坂田隆・下司和男・  
 堀口清視・寺坂国之・衣坂国之・河越尚司・中村修  
白崎昭一郎著作目録(古代史関係)
会員広場【小休止】  
「上宮記一伝」継体系譜の真偽             渡部正路
アンデス通信32                   市木尚利
書評 直木孝次郎『日本古代史と応神天皇』       西川寿勝
会員の著作『よみがえる古代』             山中光一
続・諸賢の「尾張氏」論に問う             蘆田東一
百済観音の飛鳥時代                  山下輝幸
   
【巻頭言】横田健一の学問               上遠野浩一
 古代史学者、(故人、関西大学名誉教授、2012年逝去)は、学生時代に群書類従全巻を読破、しかもその内容を完璧に記憶していたという。またフランスに留学し、文化人類学者クロード・レヴィ=ストロースに師事した。横田は日本古代史を研究する上で、周辺諸科学を修める必要性を感じたのであろう、それらを学ぶだけではなく、当時の最先端の水準に達する著書まであらわしているのであるから、半端ではない。横田の守備範囲は、古代史以外にも、中世史、近世史、近代史、文化人類学、民俗学、考古学、神話学、民俗誌、地名辞典におよび、英語・ドイツ語・フランス語に堪能で、海外の文献にはいち早く目を通していた。詩歌の創作も盛んに行っている。横田の研究は大変実証的ではあるが、そこには文化人類学や民俗学等の周辺諸科学の成果が多く反映されており、それが横田の研究の大きな特徴の一つとなっている。
 横田の学問姿勢は、現在古代史を学ぶ我々に多くのことを教えてくれる。その巨大な知には到底及ぶべくもないが、あくまで実証的に、しかも広く諸科学の成果から学ぶことによって、今まで見えなかったものが多く見えてくるのではないだろうか。