発行冊子の紹介


第45号 2006年9月20日発行

 目次
【45巻頭言】                   白崎昭一郎 
「木部」木簡と「耳中部」木簡            中村 修   
【小休止】会員ひろば
ギリシャ・アルカイック時代             河野宏文  
弥生王権のシナリオ(四)              中山光一  
―三世紀後半、卑弥呼の死後―
発見!縄文土器にメビウスの帯            大谷幸一  
吉村武彦『古代天皇の誕生』をよみながら考えたこと  明賀 猛  
会員の著作 理系が覗いた邪馬台国          下司和男  
神話的アイデンティティから論理的アイデンティティへ 半沢英一  
八角墳の謎を解く                  大谷幸一  
―弦図と八角形―
来信・編集後記                         
巻頭言                        白崎昭一郎
 この頃の日本の政治状況を眺めていると、危険な懼れを感じずにはおられない。王安 石のような偏執狂的改革に情熱を揮った小泉改革の跡を受けて、小泉以上に右翼的な改革に熱意を持つ阿部氏の登場が必然となりそうな情勢であるからである。勝ち馬に乗り たがる三文議員たちの節操のなさは論外としても、保身のために自ら降りた福田氏などの姿勢には憂国の志操が感じられない。将に1931年ナチス台頭直前のドイツの状況を彷彿とさせるものがある。あの民主主義的なワイマール憲法を備えたドイツがあのような短時日に右傾しようとは、おそらく何人も予想し得なかったようなことが、あの理知的なドイツで実現したのであるから、日本でも油断できない。阿部氏はしきりに憲法改正を口にしているが、憲法9条の改正の成否が軍国日本の成立を許すか否かの天王山となるであろう。阿部氏もまさか戦争を欲しているとまでは思っていないが、いざとなれば戦争も辞さないという覚悟はあるであろう。憲法9条の撤廃は戦争への最後の歯止めが外れることになる。戦争の惨禍を知っている最後の世代として80歳の筆者は憲法の死守を強く訴えたい。