発行冊子の紹介


第42号 2005年12月20日発行

   目次
【42巻頭言】
女性天皇の問題                   白崎昭一郎  
不改常典                      坂田 隆    
「京都」と「京師」                 下司和男   
「ヲトメ」の「処女」「未通女」表記について     中村 修   
【小休止】会員ひろば
地域を代表する前方後円墳への円墳付随現象      半沢英一   
弥生王権のシナリオ(一)              山中光一  
― 一世紀金印の奴国王と二世紀帥升の関係 ―
故鈴鹿正仁氏を悼む                 河野宏文   
鈴鹿正仁さんを偲んで                金森邦夫   
白井良夫氏を悼む                  白石昭一郎  
「多利思比孤」の「弟」についての考察        河越尚司   
扶桑国記事に関する諸説               原田 実   
ペーパー・レス時代の光通信システム         野田昌夫  
―古代中国の木簡は語る―
片岡馬見古墳群を見学して              河野宏文   
銅鐸と×+文様                   大谷幸市   
来信・編集後記                          
巻頭言女性天皇の問題                白崎昭一郎
 近頃、女性の天皇を認めるべきかどうかの議論が喧しい。現在の天皇は国の象徴であ っても主権者とはいえないから、国の安危に繋がる程の重大問題とは考えられないが、 現実に天皇制が存在するからには、歴史的伝統に背馳しないように、また国民の大多数 が首肯されるような解決案が提示されることが望ましいことはいうまでもない。 現在、女性・女系の天皇を容認する形で決着が図られそうな情勢のように見えるが、 超保守派の巻き返しもあって、必ずしも予断を許さない。よくある議論に過去の女帝は すべて皇后かそれに準ずる人たちのみであったとか、或いは単なる中継ぎに過ぎなかっ たとかの意見も行われているが、それが果たして歴史的真実であったか否かについては 疑問がある。 本誌掲載の坂田隆「不改常典」は此の問題について有力な情報を提供する労作のよう に思われる。坂田氏は、奈良朝における女性天皇の輩出は、決して単なる中継ぎではな く、天智天皇の不改常典に基づく正当な継承であり、且つ女性によって天智の血統を繋 げようとする不可避の手段であったことを力説している。詳細は本論考に拠って頂きた い。少なくとも旧宮家を復活せしめるなどの、歴史の歯車を逆に廻すような案を通すべ きではあるまい。