発行冊子の紹介


第41号 2005年9月20日発行

   目次
【41巻頭言】
科学の大衆化とアカデミック・トレーニング      中村 修    
或る仏教美術史家                  若井敏明     
生口の語義                     堀口清視     
処女塚伝説考                    中村 修 
【小休止】会員ひろば
半沢英一氏「ハレムとしての斑鳩」について
 ―西域系渡来人自治特区としての斑鳩―       山中光一    
神功皇后「三韓征伐」神話と朝鮮の植民地化      半沢英一    
古代日本の土木(その三)              森  章    
双頭渦文から四頭渦文へ               大谷幸市    
巻頭言科学の大衆化とアカデミック・トレーニング   中村 修
 本誌は研究者とアマチュアを結ぶことを目指している。アマチュアの書き手を育てる ことも目的の一つにしている。編集業務に携わっていて最近感じていることが、科学の大衆化とアカデミック・トレーニングの問題である。論文を書くには学界の常識・習慣 があるので、史学科の学生はそれを学ばなければならないとされている。無断引用(盗 作)は論外としても、孫引きも例え断ったにせよ「良くない」とされている。ルビをど こまでふるかを学習することもアカデミック・トレーニングだ。人の名前や全国の市町 村名もルビをふらないのが習慣らしい。地図は国土地理院発行のものを使う。「注」は 「註」だという。問題はこういうアカデミック・トレーニングを「科学の大衆化」の視 点からどう考えるかということである。多くの研究者は学界とアマチュアを分けて考え ているので、学界用の論文と大衆啓蒙用の文章とを使い分けることで矛盾を感じていな いようである。  本誌はこの研究者とアマチュアの乖離を少しでも埋めようとしている。例えばルビを どこまでふるかにしても、研究者の皆様には失礼になるのは承知で、編集している。そ れでも『古代史の海』は難しすぎるという批判を浴び、読者数の伸び悩みに苦労してい る。