発行冊子の紹介


創刊十周年記念 第40号 2005年6月20日発行

    目次
【40巻頭言】                  半沢英一    
三角縁神獣鏡論                  白崎昭一郎    
一次国家の発生・展開過程             山口順久    
日本出土の尚方鏡                 白井良彦    
【小休止】会員ひろば
紀伊の低い石棚のある古墳を見学して        河野宏文    
ハレムとしての斑鳩                半沢英一    
故久保田穣さんを悼む               下司和男    
【小特集】『古代史の海』創刊十周年記念一言集            
若井敏明・いき一郎・大谷幸市・原田実・金森邦夫・河越尚司・斉藤隆一・山中光一・河野宏文・長野靖・牧山宗刀・中井かをり・森下のり子・金田英治
北の回廊は存在するか               斉藤隆一    
「一寸千里説」と『魏志』「東夷伝」の「短里」をめぐって
                         下司和男    
乙訓郡の郷名比定                 中村 修    
四神の首尾の向きについての考察          竹田 博    
追跡! 伝承の痕跡                大谷幸市    
巻頭言脱神話の歴史学               半沢英一
昨年末ある本を読んでいて、死海文書「神殿の巻物」の発見やマサダ(ローマ帝国と闘って全滅したユダヤの砦)の発掘で高名な考古学者イガエル・ヤディン氏が、1948年のイスラエル建国において70万(国連推計)以上のパレスチナ人を国外に追放した、悪 名高い「ダレット計画」の立案・指揮者でもあったことを知り、びっくり仰天した。イスラエルが建国の正統性を追認するため、考古学を国策的に推進していたことは感じて いたが、そこには私の直感以上のものがあったようだ。神話的歴史が差別や侵略を可能にすることは世界史的に普遍的であるが、神話的歴史はそれを生んだ文化共同体のある時点での「願望の過去」であり、現実の歴史ではない(『古代史の海』39号拙稿「「約束の地」神話の虚構性」参照)。神話的歴史の清算が、古代史研究の唯一とはいわない までも、主要な存在理由であることを私は信じてやまない。