発行冊子の紹介


第37号 2004年9月20日発行

    目次
【37巻頭言】
名正からざれば事ならず              半沢 英一    
日本における国家の発生・展開過程         山口 順久     
魏の青洲刺使劉琮とその末流            宝賀 寿男    
『隋書倭国伝』の「阿蘇山記事」にかんする考察   河越 尚司    
 -機内王権に知られていた阿蘇山-
【小休止】会員ひろば
  松下煌さん、ご苦労さま            いき 一郎    
  理系の見方と文系の見方(補論)        宝賀 寿男    
  美作(岡山)の古墳を巡る           金森 邦夫    
宣命書きにおける配字の考察            中村  修    
古代日本の土木(その1)             森   章    
尚方作獣首鏡と環状乳神獣鏡について        白井 良彦    
来信・編集後記
【巻頭言】名正からざれば事ならず         半沢 英一
われわれは歴史を理解するためにさまざまな言葉を使う。ある言葉が別の言葉を避けて 使われることに、事実と論理にもとづく理由があれば、それは歴史学的に正当な用語法である。前方後円墳が日本列島広域を覆う前の墳墓と、覆った後の墳墓の名称を変える のは、前方後円墳時代がその前後と社会史的に明確な差異があるという事実にもとづい ており、(その名称がベストか否かは別の問題として)歴史学的に正当なことである。 同様に前方後円墳時代と律令時代の社会的統合の名称を変えるのも(どんな名称がベ ストか否かは別問題として)歴史学的に正当なことである。歴史学の用語は日常的語感 にもとづくものではなく、学問的批判によて選択されなければならない。しかし学問的批判にもとづかない議論が、残念ながら多い。それでは流通する日常的観念を越えた、現実 の歴史を理解することはできない。名正からざれば則ち言順わず、言順わざれば則ち事ならず(論語)。